グラウンドカバープランツ緑化部会
この度、公園緑地部会とグラウンドカバープランツ緑化部会を統合して活動をすすめていくことと致しました。その利用効用と存在効用の原点にたち、未来の社会便益にも言及しつつ公園緑地を訴求していくこと、またその空間を構成する材料である芝生やグラウンドカバープランツがもたらす環境面・防災面・健康面などの各種機能性、緑化用途の拡大、地域のデザイン性にも立脚した有効な活用手法など調査研究と発信に努めていきたいと思います。皆様のご参画とご支援ご協力をお願いしたいと存じます。
統合後の名称:公園緑地・グラウンドカバープランツ緑化部会
1.グラウンドカバープランツ緑化部会について
日本芝草学会グラウンドカバープランツ緑化部会は、本学会の4つ目の部会として2007年度から発足しました。本学会においても設立当初から「地被植物(グラウンドカバープランツ)」が「芝草」とともに対象分野として重要視されていたものの、これまで研究発表や情報交換などの活発な展開がありませんでした。
一方、隣接の学会においてもグラウンドカバープランツを一つのカテゴリーとして活動を進めている例は殆どありません。昨今の活発な都市再生事業に伴って創出された緑地や特殊緑化空間の大部分の緑化を担っているのがグラウンドカバープランツであるといっても過言ではありません。沿道、のり面、畦畔、あるいは観光地の緑化など、至るところでグラウンドカバープランツが活躍しています。
さらに緑化目的が修景やレクリェーション空間の創出のみならず暑熱環境の緩和や水質・土壌浄化など環境改善に資する土地利用としての機能が求められるなど、その緑化への期待は益々高まっているといえます。グラウンドカバープランツが多く導入されている多様な緑地は保健福祉に資する人の活動空間ともなり、デジタル社会に向かう未来社会のバーチャルな生活変容に伴うストレス対して緑地がリアルな空間と体験を提供し、そうした空間での余暇活動が新たなライフスタイルの一部を構成していくことが重要となります。
こうした背景を受け、先学の知見を継承しつつも、現在そして将来の環境整備のニーズに対応していけるようグラウンドカバープランツをとりまく利活用とその効果、そのための生産、施工や維持管理に関わる議論を重ねていくプラットホームとして、本学会グラウンドカバープランツ緑化部会を大いにご活用頂き、またご支援ご協力をお願いしたいと存じます。
幹事会
飯島健太郎、浅井俊光、佐藤忠継、山下律正、上遠野敦
2. これまで開催してきた研究集会
※演者所属等は講演当時
(第26回)「畦畔緑化の魅力と役割」
2021年10月24日、リモート開催
・山本栄(株式会社サカエグリーン代表取締役)
演題:安清集落営農組合における畦畔芝生化事例について(富山県南砺市)
・徳田有美(白崎コーポレーション)
演題:防草シートを活用した植栽技術
(第25回)「コロナ禍で見えてきた緑の役割」
2021年6月12日リモート開催
・上遠野敦・飯島健太郎(グラウンドカバープランツ緑化部会幹事会・東京都市大学環境学部)
演題:緑の効用、コロナ禍における検索ワードから見た緑と生活
・山本聡(兵庫県立淡路景観園芸学校・兵庫県立大学大学院教授)
演題:コロナ禍における都市公園の利用実態とその役割
(第24回)「グリーンインフラとしての軌道緑化の効果とその技術」
2020年12月4日、リモート開催、東京都市大学総合研究所と共同で開催
・涌井史郎(東京都市大学総合研究所特別教授)
演題:欧州のグリーン・リカバリーに見る環境政策
・飯島健太郎(東京都市大学総合研究所教授)
演題:国内外の軌道緑化事例とその効果
・山下律正 氏 (東京都市大学総合研究所客員研究員)
演題:軌道内緑化技術 安定緑化への課題
・玉井禎人 (東京都市大学大学院、株式会社トーケン)
演題:軌道緑化技術 / 軌道緑化による暑熱環境緩和効果
・岡村直利 (東鉄工業株式会社環境本部)
演題:鉄道空間の緑化における技術と課題
(第23回)「緑化用植物と知的財産をめぐる議論」
2019年9月14日、鳥取大学
・小田富士雄(特許業務法人 テクノテラス)
演題:最近の種苗法違反の事例 今後の課題と対応
(第22回)「緑地運営と官民連携に関する工夫と課題」
2019年6月15日、山梨大学
・竹原征邦・今村浩一(株式会社 富士グリーンテック)
演題:緑地運営と官民連携に関する工夫と課題
(第21回)「経済福祉から環境福祉の時代へ」
2018年9月23日、朱鷺メッセ
・家老 洋(特定非営利活動法UNE代表理事・園芸福祉にいがた代表・日本園芸普及協会理事)
演題:経済福祉から環境福祉の時代へ
(第20回)「2020~2030年に向けた都市緑化の展開」
2018年6月9日、東京農業大学
・今井一隆 (公益財団法人 都市緑化機構研究部次長)
演題:都市緑化の課題と展開
・吉田 慎(未来緑化株式会社代表取締役)
演題:東京オリンピックを契機とした発泡セラミック基盤による暑熱環境緩和対策とその展望~緑化plus~
(第19回)「関西周辺の最新の都市緑化事情とグラウンドカバープランツ」
2017年10月19日、大阪府立大学 I-サイトなんば
・山田宏之 (大阪府立大学大学院教授)
演題:関西の特殊空間緑化事例&りんくう公園予定地(空港連絡道路南側)開発運営事業について
・二見恵美子 (Landscape Design Office E.M.I.PROJECT代表)
演題:関西を中心とした都市緑化デザインについて/ランドスケープの原点 英国の価値観の源の体験から
(第18回)「都市緑化よこはまフェア・18区連携事業都筑区プロジェクトにみる官民学連携」
2017年5月20日、東京都市大学
・田中礼子 (都筑区区政推進課 課長)
演題:都市緑化よこはまフェア・18区連携事業・都筑区プロジェクトの展望
・塩入広中(NPO法人ぐるっと緑道 理事長)
演題:中川まちづくりプランから早渕川・老馬谷ガーデンへの道のり
・川本久美子(I Love つづき副理事長)
演題:中川の花とみどり,そして早渕川老馬谷ガーデンの植栽の特徴
(第17回)「最新のグラウンドカバープランツの管理・育種技術」
2016年9月23日、とかちプラザ
・八重樫 光司 氏(㈱東藻琴芝桜公園管理公社)
演題:10 万平方メートルの芝桜 -ひがしもこと芝桜公園の今までとこれから-
・入山 義久 氏(雪印種苗株式会社)
演題:北米における寒地型芝草の育種と我が国への適応性
(第16回)「実践! 挑戦! 薄層緑化」
2016年6月28日、千葉大学西千葉キャンパス
・田島常雄(田島ルーフィング株式会社)
演題:屋上緑化と長く付き合う方法(何とか手抜きしたい!!屋上緑化/薄層屋上緑化の長期間維持実践)
・玉井禎人(株式会社トーケン 環境事業部長)
演題:軌道緑化の新たな挑戦!超多孔スポンジセラミックス基盤を使った新提案
(第15回)「沖縄県のグラウンドカバープランツ植栽の課題と展望について」
2015年11月21日、沖縄県市町村自治会館
・喜屋武 忍(株式会社トロピカル・グリーン設計)
演題:沖縄県の緑化用植物の植栽設計について
・宮里政智 (一般財団法人 沖縄美ら島財団総合研究センター 副参事)
演題:沖縄の都市緑化に活用される地被植物等について
(第14回)「都市の魅力アップと香りの植栽デザイン」
2015年6月21日、日本大学藤沢キャンパス
・塩入広中 氏(NPO法人ぐるっと緑道理事長)
演題:中川ルネッサンスプロジェクトと香りの演出
・岡村直利 氏(東鉄工業株式会社環境本部ECO2推進部部長)
演題:アロマステーション化プロジェクト
(第13回)「心の復興/メンタルヘルスと緑素材・緑地利用について考える」
2014年10月5日、仙台大学
・飯島健太郎(桐蔭横浜大学医用工学部・グラウンドカバープランツ緑化部会長)
演題:心の復興/メンタルヘルスと緑素材・緑地利用について考える
(第12回)「官民共同で取組む福島県松川浦周辺の海岸防災林再生」
2014年5月31日、福島大学
・佐藤忠継 (イビデングリーンテック株式会社・グラウンドカバープランツ緑化部会幹事)
演題:官民共同で取り組む福島県松川浦周辺の海岸防災林再生
(第11回)「園芸活動実践におけるグラウンドカバープランツの活用とその効果」
2013年11月8日、KITEN(宮崎市内)
・林 典生(南九州大学環境園芸学部)
演題:園芸活動実践からグラウンドカバープランツの活用とその効果
(第10回)「ゴルフ場の魅力アップとグラウンドカバープランツの活用」
2013年6月16日、明治大学
・柴田忠裕(千葉県農業大学校 研究科長)
演題:ゴルフ場の魅力アップとグラウンドカバープランツの活用
(第9回)「グラウンドカバープランツ生産の工夫と今後の課題(その5)/「九州の緑化樹木生産の現況と今後の課題」
2012年9月29日、東海大学熊本キャンパス
・梶村和男 氏(日本植木協会コンテナ部会流通委員)
演題:九州の緑化樹木生産の現況について
・山本茂三 氏(日本植木協会コンテナ部会流通委員長)
演題:グラウンドカバープランツの生産量推移から見た環境緑化の現状と課題
(第8回)「セダムを効果的に活用するために」
2012年6月24日、東京農業大学
・山下律正(大日化成株式会社)
演題:セダムの生態と地域特性・セダムの生産
・富田春乃(桐蔭横浜大学)
演題:セダム緑化による暑熱環境緩和効果
・野元裕正(アーキヤマデ株式会社)
演題:セダム緑化の施工(施工事例)と維持管理
・岡村直利(東鉄工業株式会社)
演題:セダムの品種と今後の取り扱い
・八郷隆太(桐蔭横浜大学大学院)
演題:オリジナル植物とその作出(実験ワーキング報告)
(第7回)「グラウンドカバープランツ生産の工夫と今後の課題(その4)/グラウンドカバープランツの生産量推移から見た環境緑化の現状と課題」
2011年10月23日、信州大学南箕輪キャンパス
・松村幹了(日本植木協会コンテナ部会・広報委員長)
演題:グラウンドカバープランツの生産量推移から見た環境緑化の現状と課題
・足立泰美・金澤健・菅野裕一(桐蔭横浜大学・調査WG)
演題:調査ワーキング報告
・佐藤忠継(イビデングリーンテック株式会社・日本芝草学会グラウンドカバープランツ緑化部会幹事)
演題:パネル型壁面緑化による暑熱環境緩和効果について
(第6回)「グラウンドカバープランツ生産の工夫と今後の課題(その3)/宿根草を使いこなす」
2010年10月29日、昭和大学富士吉田キャンパス
・小黒晃(株式会社ミヨシ)
演題:宿根草を使いこなす
・小尾浩一(株式会社アレン)
演題:軌道緑化による環境緑化に向けて/技術的展開と課題
(第5回)「グラウンドカバープランツ生産の工夫と今後の課題(その2)/修景バラによる新たな環境緑化の展開」
2010年6月13日、千葉大学
・北野純子(京成バラ園芸造園部)
演題:修景バラによる新たな環境緑化の展開
・小尾浩一(株式会社アレン)
演題:鉄道事業における軌道緑化への期待と保線における課題
・山下律正(日本芝草学会グランドカバープランツ緑化部会幹事、大日化成株式会社)
演題:軌道緑化の試み
(第4回)「グラウンドカバープランツ生産の工夫と今後の課題/長尺植物」
2009年11月13日、名古屋大学
・黒田剛(成田ナーセリー・日本植木協会コンテナ部会)
演題:長尺植物について
・山下律正(日本芝草学会グランドカバープランツ緑化部会幹事、大日化成株式会社)
演題:オリジナル品種で差別化を図る/園芸生産企業の戦略-突然変異育種でオリジナル品種をつくる
【パネルディスカッション】
パネリスト
・黒田剛(成田ナーセリー組合長)
・山下律正(グラウンドカバープランツ緑化部会幹事)
・吉澤信行:(株式会社小金井園代表取締役社長)
・中村健二:(有限会社中村農園代表取締役社長)
(第3回)「屋上緑化とホスピタリティ」
2009年6月13日、東京大学
・水野妙子(株式会社日比谷アメニス設計室)
演題:生老病死のランドスケ-プデザイン
・山下律正(薄層屋上緑化協会、大日化成株式会社)
演題:シーズン花壇ユニット」と医用用途
・武内将司(桐蔭横浜大学大学院工学研究科医用工学専攻)
演題:認知症と園芸療法の応用
・林典生(南九州大学環境園芸学部社会園芸学研究室)
演題:介護付き有料老人ホーム屋上ヒーリングガーデンの事例紹介
(第2回)「薄層基盤緑化をめぐる課題と展望」
2008年11月14日、国営海の中道海浜公園内 ザ・ルイガンズ
・山下律正(薄層屋上緑化技術協会・大日化成株式会社)
演題:薄層屋上緑化に導入されるセダム属植物の課題と展望
・佐藤忠継(イビデングリーンテック株式会社技術部長)
演題:薄層屋上緑化に導入する新たな植物の視点
・浅井俊光(東京農業大学生物環境調節室)
演題:スナコケを活用した緑化
・飯島健太郎(桐蔭横浜大学医用工学部)
演題:薄層屋上緑化と暑熱環境緩和効果
(第1回)「拡大するグラウンドカバープランツの緑化用途」
2008年6月14日、東京農工大学
・柴田忠裕(千葉県農林総合研究センター生産技術部花植木研究室)
演題:緑化用途の拡大に伴う新形態の緑化植物「マット植物」の創出
・佐藤忠継(イビデングリーンテック株式会社技術部長)
演題:ユーザーの立場からみたグラウンドカバープランツ
・山下律正(薄層屋上緑化向上協会、大日化成株式会社)
演題:屋上緑化等に導入されるセダムに対する規制緩和をめざして
・仲田茂司(仲田種苗園代表取締役)
演題:野草を中心としたグラウンドカバープランツ緑化の展開
・飯島健太郎(桐蔭横浜大学医用工学部)
演題:グラウンドカバープランツ緑化研究の課題と展望